土曜日, 11月 28, 2009

すごくどうでもいい事を、何となく高尚な風に書いてみる日記

パスタ・ビアンカという料理をご存知だろうか?

日本ではあまりなじみのない名前だろう。
しかし、本場イタリアでは誰もが知る馴染みのパスタ料理だ。

そんな有名な料理を日本人の多くが知らないのも無理は無い。
料理店のメニューに載ることはない家庭料理で、シンプルさゆえにレシピとしても紹介されないのだ。


ビアンカとはイタリア語でbianco と書く。
日本語で言うと「白」。
茹でたパスタにオリーブオイルやパルミジャーノ・レッジャーノをかけただけのものだ。

「白」という名前の通り、余計なものは入っていない。


この料理をただ手軽な料理と侮ってはいけない。
シンプルさゆえに、素材によって味が大きく左右される。

オリーブオイルの中の太陽の香り、粉の品質と製麺技術などによって大きく味が違うのはもちろんだ。
しかし、それだけでない。
麺を茹でる水でさえ、パスタの味に影響を与える。

シンプルがゆえに素材を選ぶ。
そんなパスタなのだ。


話は少し変わる。

スペイン語とポルトガル語では「白」の事をblanco と書く。
フランス語ではblanc とつづる。

この綴りの類似は全くの偶然というわけではない。
古フランク語のblanch を語源としているのだ。

古フランク語というのは、7世紀以前に使われた言語だ。
現在のフランス語のみならず、ラテン語にも大きな影響を与えている。

ところで、blanch という単語は、ある英単語の語源にもなっている。
英語のblank はblanch が語源なのだそうだ。
blank はもちろん「空白」を意味する。

日本ではあまり知られていないパスタ・ビアンカ。
このパスタが知名度を上げ、日本での空白を埋める日は来るのだろうか?

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